No.013屋根と外まわり

破風とは?読み方と鼻隠し・ケラバとの違い、城の破風

切妻屋根の家(斜め前から)破風板(はふいた)妻側の傾いたふち鼻隠し(はなかくし)軒先の水平なふち雨どいケラバ妻側に出た屋根の端妻側(三角が見える面)平側(軒が見える面)
図:切妻屋根の家。妻側の傾いたふちの朱の板が破風板。軒先の水平なふちは鼻隠し
名前
破風
読み
はふ
別の呼び名
破風板(はふいた)、破風板金
英語
gable / bargeboard
見られる所
三角屋根(切妻・入母屋)の家の妻側のふち、城の天守、寺や神社の屋根

ひとことで

破風(はふ)は、三角屋根の妻側(三角形が見える面)で、屋根の傾いたふちの部分と、そこに取り付ける板(破風板)のことです。屋根の端をふさいで、雨風が屋根の中へ入るのを防ぎます。

掲載

目次
  1. 破風とは:三角が見える面の、傾いた屋根のふち
  2. 破風と鼻隠し・ケラバの違い
  3. 破風がある屋根・無い屋根
  4. 破風板の素材と傷み方
  5. 城や寺社の破風
  6. 破風と同じ屋根の部位

破風とは:三角が見える面の、傾いた屋根のふち

破風の読み方は「はふ」です。住宅の打ち合わせや外壁塗装の見積書では、ほとんどの場合「破風板(はふいた)」のことを指しています。

三角屋根の家を真横から見ると、屋根が三角形に見える面と、屋根の斜面と軒が見える面があります。三角形が見える面を妻側、軒が見える面を平側と呼びます。破風は、妻側の三角形の2本の斜めの辺にあたる部分です。

切妻屋根の家(斜め前から)破風板(はふいた)妻側の傾いたふち鼻隠し(はなかくし)軒先の水平なふち雨どいケラバ妻側に出た屋根の端妻側(三角が見える面)平側(軒が見える面)
図:切妻屋根の家を斜め前から。妻側の傾いたふちに付く朱の板が破風板、平側の水平な軒先のふちが鼻隠し、妻側に出た屋根の端がケラバ

屋根の端は、屋根を支える木材や下地の板の切り口(小口)がむき出しになる所です。そのままだと雨が当たって傷み、風が屋根の中に吹き込みます。そこをふさぐ板が破風板で、家の外観では三角屋根の輪郭を形づくる線にもなっています。

破風と鼻隠し・ケラバの違い

入力候補でいちばん多いのが「破風 鼻隠し 違い」です。どちらも屋根のふちに付く板ですが、付く面が違います。

名前付く所見分け方
破風(破風板)妻側の、傾いた屋根のふち三角形の斜めの辺に沿っている
鼻隠し平側の、水平な軒先のふち雨どいが取り付けてある
ケラバ妻側に張り出した屋根の端の部分そのもの破風板が付いている「屋根の出」の部分

見分けるいちばん簡単な目印は雨どいです。雨どいが付いている水平な板が鼻隠しで、雨どいの無い斜めの板が破風です。雨は屋根の傾きに沿って軒先へ流れるので、雨どいは平側にしか付きません。

ケラバは板の名前ではなく、妻側で外壁より外へ出た屋根の端の部分を指す言葉です。ケラバの先端に付いている板が破風板、という関係になります。

破風がある屋根・無い屋根

破風は「三角形が見える面」にできるので、屋根の形によって、ある家と無い家があります。

屋根の形形のあらまし破風
切妻(きりづま)本を伏せたような、2枚の斜面の屋根両側の妻に破風がある
片流れ(かたながれ)1枚の斜面だけの屋根斜面の両側のふちが破風、低い側が鼻隠し
寄棟(よせむね)4枚の斜面で、どの面にも軒がある屋根三角形の妻が無いので、破風は無い(ふちは全部鼻隠し)
入母屋(いりもや)寄棟の上に切妻をのせた形上の切妻の部分に破風がある
陸屋根・パラペット屋根平らに見える屋根破風は無い

自分の家に破風があるかは、雨どいの付いていない斜めのふちがあるかどうかで分かります。寄棟の家で外壁塗装の見積書に「破風」とあれば、鼻隠しのことを指している場合もあるので、どの板のことかを業者に確かめておくと行き違いがありません。

破風板の素材と傷み方

破風板は、雨と日光が直接当たる場所にあり、家の中でも傷みやすい部材の1つです。素材によって、傷み方と手入れの仕方が変わります。

素材特徴よくある傷み
木昔からの破風板。加工しやすい塗装がはがれると水を吸い、腐る・反る
窯業系(セメント系)の板今の住宅で多い。燃えにくい塗装が切れると水を吸い、表面がはがれる
金属(ガルバリウム鋼板など)さびにくく、手入れが少ないへこみ、継ぎ目のすき間

破風板の塗装と板金巻き

木や窯業系の破風板は、表面の塗装が水から守っています。外壁の塗り替えのときに、破風板も一緒に塗るのがふつうです。足場を組むのは同じなので、別々に塗るより手間が少なく済みます。

破風のまわりの断面(横から)屋根の下地(野地板)屋根材破風板屋根の端をふさぐ板板金巻き外から金属で包む母屋(もや)の端屋根を支える横の材外壁
図:破風のまわりの断面。屋根の端を破風板でふさぎ、外側を板金で包むと、塗り替えの手間が減る

傷みが進んだ木の破風板では、上から薄い金属の板で包む板金巻き(破風板金)という直し方もあります。入力候補の「破風板金」はこのことです。中の板が腐っていると、包んでも中で傷みが進むので、包む前に下地の状態を確かめてもらうことが大事です。

破風板の傷みは、地上からでも見つけやすいので、ときどき見上げて、塗装のはがれ・板の反り・黒ずみが無いかを見ておくと、雨漏りになる前に手を打てます。

城や寺社の破風

入力候補には「破風 城」もあります。日本の城の天守や、寺・神社の屋根を見ると、三角形や弓なりの形をした飾りの面がいくつも付いています。これも破風で、屋根の形によって呼び名が分かれています。

破風の形(正面から)切妻破風入母屋破風千鳥破風唐破風三角そのまま下の屋根の上に三角斜面に置く飾りの三角弓なりの曲線
図:破風の4つの形。切妻破風・入母屋破風・千鳥破風・唐破風
  • 切妻破風(きりづまはふ):切妻屋根の妻側にできる、三角形そのままの破風
  • 入母屋破風(いりもやはふ):入母屋屋根で、下の屋根の上にのる三角形の破風
  • 千鳥破風(ちどりはふ):屋根の斜面の上に置いた、小さな三角形の飾りの破風。城の天守に多い
  • 唐破風(からはふ):中央が丸く盛り上がり、両端が反り返る曲線の破風。寺社の玄関や、城の正面を飾る

城の天守は、こうした破風をいくつも組み合わせて外観を作っています。破風の数や組み合わせ方は城ごとに違い、天守の見どころの1つになっています。たとえば姫路城の大天守には、千鳥破風・唐破風・入母屋破風がいくつも重なっていて、見る向きによって屋根の表情が変わります。城を訪ねたら、破風の形を数えてみるのも楽しみ方の1つです。住宅の破風板と城の破風は、どちらも「屋根の妻のふち」を指す同じ言葉です。

破風と同じ屋根の部位

破風は、屋根まわりの部位の1つです。同じ屋根と外まわりの分類には、屋上のふちに立つパラペットや、壁のてっぺんにかぶせる笠木があります。箱型の家(パラペット屋根)には破風が無く、そのかわりにパラペットと笠木が屋根のふちを守っています。

破風のよくある質問

破風の読み方は?
「はふ」です。破風に付ける板は「破風板(はふいた)」と読みます。
破風と鼻隠しの違いは?
破風は三角屋根の妻側の傾いたふちに付く板、鼻隠しは平側の水平な軒先に付く板です。雨どいが付いている方が鼻隠しです。
破風とケラバの違いは?
ケラバは妻側で外壁より外へ出た屋根の端の部分を指し、破風(破風板)はそのケラバの先端に付く板です。
破風板は塗装が必要ですか?
木や窯業系の破風板は塗装が水から守っているので、外壁の塗り替えのときに一緒に塗るのが一般的です。傷みが進んだ木の破風板は、板金で包む直し方もあります。

確かめた資料

確認日:2026年11月1日

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