No.012現場とまちの機械・目印

三角点とは?山頂の石の柱の正体と水準点との違い

三角点の標石(山頂で見かける石の柱)三角點十字の中心ここが緯度・経度の位置柱石(ちゅうせき)花崗岩などの石の柱側面の文字「三角點」と等級盤石(ばんせき)地中に埋めた下の石地面から少し頭を出す
図:三角点の標石。地面から頭を出す石の柱の上面に十字があり、その中心が緯度・経度の位置。地中には盤石が埋まっている
名前
三角点
読み
さんかくてん
別の呼び名
基準点、一等三角点・二等三角点
英語
triangulation point (trig point)
見られる所
山の頂上付近、見晴らしのよい丘、学校や公園など公共施設の敷地

ひとことで

三角点は、緯度・経度が正確に測ってあり、地図や測量の位置の基準になる点です。国土地理院が全国に設置していて、山の頂上で見かける四角い石の柱がその目印(標石)です。

掲載

目次
  1. 三角点とは:日本の地図の「位置の基準」
  2. 三角点の名前の由来:三角形をつないで測った
  3. 一等三角点から四等三角点までの違い
  4. 三角点と水準点の違い
  5. 三角点の地図記号と探し方

三角点とは:日本の地図の「位置の基準」

山に登ると、頂上の近くに、地面から少しだけ頭を出した四角い石の柱が埋まっていることがあります。これが三角点の標石です。登山者がタッチしたり、写真を撮ったりする、あの石です。

国土地理院の説明では、三角点は「山の頂上付近や見晴らしの良いところ、利用や保全に適した公共施設の敷地内等に設置され、緯度・経度が正確に求められて」いる点です。明治時代に全国の地図を作るために置いたのが始まりで、今も道路の建設や都市の開発など、公共の工事の位置の基準として使われています。

三角点の標石(山頂で見かける石の柱)三角點十字の中心ここが緯度・経度の位置柱石(ちゅうせき)花崗岩などの石の柱側面の文字「三角點」と等級盤石(ばんせき)地中に埋めた下の石地面から少し頭を出す
図:三角点の標石。上面の十字の中心が、その三角点の緯度・経度の位置。地面の下には、もう1つの石(盤石)が埋めてある

標石の十字と文字

三角点の標石は、花崗岩などの丈夫な石でできた四角い柱です。上の面に十字が刻まれていて、十字の中心が、その三角点の緯度・経度を示す点です。側面には「一等三角點」のように等級と名前が彫られています。古い標石では「点」ではなく、旧字の「點」が使われています。

地面の下には、柱石の真下にもう1つ、盤石(ばんせき)と呼ばれる石が埋めてあります。地上の柱石が動いたり壊れたりしても、盤石で元の位置を確かめられるようにするためです。最近は石の標石のほかに、真鍮やステンレスの金属の円盤(金属標)を地面やコンクリートに埋めた三角点も増えています。

三角点の大もと:日本経緯度原点

全国の三角点の緯度・経度は、たどっていくと1つの点に行き着きます。東京都港区麻布台の、旧東京天文台の跡にある日本経緯度原点です。ここの緯度・経度を出発点にして、一等三角点、二等三角点と順に位置を決めてきました。国土地理院のキッズページによると、原点の位置は東経139度44分28秒8869、北緯35度39分29秒1572です。

三角点の名前の由来:三角形をつないで測った

三角点という名前は、三角測量という測り方から来ています。

離れた2つの三角点のあいだの距離を正確に測り、そこから3つ目の三角点を見たときの角度を測ると、三角形の形と大きさが決まり、3つ目の位置が計算で求まります。この三角形を次々とつないで、日本全体を三角形の網で覆っていきました。国土地理院の説明では、明治から昭和は主に角度を、昭和以降は辺の距離を測って三角形を決めてきたとされています。

三角点の網(上から見たイメージ)一等(朱):平均45km二等(藍):平均8km三等(白):平均4km四等:平均1.5km(図は省略)
図:三角点の網のイメージ。一等三角点の大きな三角形の中を、二等・三等の小さな三角形で埋めていく

三角点どうしを見通す必要があったので、三角点は見晴らしのよい山の頂上に多く置かれました。平野で見通せないときは、三角点の上に数mから30mほどのやぐらを組んで、その上から見通したそうです。

一等三角点から四等三角点までの違い

三角点には一等から四等まであり、等級は「どの大きさの三角形の網を作ったか」の違いです。国土地理院の表では、次のとおりです。

等級三角点どうしの平均の距離設置数
一等三角点本点 45km・補点 25km973点(補点を含む)
二等三角点8km約5,000点
三等三角点4km約31,600点
四等三角点1.5km約71,000点

まず一等三角点の大きな網で日本列島の大枠を測り、そこから二等、三等の三角点の位置を決めていきました。国土地理院によると、測り方を等級に合わせて変えて精度をそろえてあり、使う側から見ると一等から三等に精度の違いはないとされています。四等三角点は、昭和以降に土地の測量(地籍調査)のために自治体の要望で置かれたものです。

一等三角点は全国で千点ほどしかないので、登山者のあいだでは「一等三角点のある山」を目当てに登る楽しみ方もあります。

三角点と水準点の違い

入力候補に「三角点と水準点の違い」があります。どちらも国の基準点ですが、測っているものが違います。

三角点と水準点(横から見た図)見通して測る道路沿いに約2kmごと三角点緯度・経度の基準水準点高さの基準地図記号
図:三角点は山頂などで、となりの三角点と見通して位置を測る。水準点は道路沿いに約2kmごとに並び、高さを測る。右上は三角点の地図記号
くらべる所三角点水準点
何の基準か水平の位置(緯度・経度)高さ(標高)
測り方三角点どうしで三角形を作り、角度や距離を測る100mほどごとに目盛りの棒を立てて高さの差を測り、つないでいく
置き場所見通しのよい山頂など主な道路沿いに約2kmごと

三角点にも標高の値はありますが、高さの基準は水準点のほうです。山頂の三角点の標高が、その山のいちばん高い所の標高とは限らないことにも注意が要ります。三角点は測りやすい場所や残しやすい場所に置かれたので、頂上の最も高い岩から少し離れていることがあるからです。

電子基準点

今は、人工衛星の電波を受けて位置を測る電子基準点も使われています。高さ数mの柱の上に受信用のアンテナが付いた形で、全国に約20km間隔で約1,300か所あります。電子基準点は24時間休まずに位置を測っているので、地震で大地がどれだけ動いたかもとらえられます。

三角点の地図記号と探し方

地形図では、三角点は三角形の中に点を打った記号で描かれ、横に標高の数字が添えられています。山の地図で頂上近くにこの記号があれば、そこに標石が埋まっています。

三角点は、国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」で場所や名前、標高を調べることができます。自分の住む町にも、学校の校庭の隅や公園の一角に三角点が置かれていることがあります。

三角点の標石は、測量法で守られた国の財産で、勝手に動かしたり壊したりしてはいけません。見つけたときは、触るのは構いませんが、掘り返したり持ち帰ったりしないようにしてください。工事で三角点を動かす必要があるときは、国土地理院に届け出る手続きがあります。

三角点のよくある質問

三角点とは何ですか?
緯度・経度が正確に測ってあり、地図や測量の位置の基準になる点です。国土地理院が全国に置いていて、山頂などで見かける四角い石の柱がその目印です。
三角点はいくつありますか?
国土地理院によると、一等が973点(補点を含む)、二等が約5,000点、三等が約31,600点、四等が約71,000点で、全国で約10万点あります。
三角点と水準点の違いは?
三角点は水平の位置(緯度・経度)の基準で、見通しのよい山頂などにあります。水準点は高さの基準で、主な道路沿いに約2kmごとにあります。
三角点の標石の十字は何ですか?
十字の中心が、その三角点の緯度・経度を示す位置です。

確かめた資料

確認日:2026年11月1日

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