No.007構造のかたち

ラーメン構造とは?由来と壁式との違い・見分け方

ラーメン構造(横から見た骨組み)地震の力剛接合(ごうせつごう)柱と梁を一体に固めた接合部梁柱点線=押されてゆがんだ形
図:ラーメン構造の骨組み。朱の接合部で柱と梁を一体に固め、横から押されると点線のようにゆがみながら持ちこたえる
名前
ラーメン構造
読み
らーめんこうぞう
別の呼び名
ラーメン架構、剛節架構
英語
rigid frame (moment-resisting frame)
見られる所
マンション・オフィスビル・鉄骨の倉庫や店舗。部屋の隅の柱の出っ張りで見分けられる

ひとことで

ラーメン構造は、柱と梁の接合部を剛く固めて四角い枠を作り、その枠で建物を支える骨組みです。鉄筋コンクリートのマンションやオフィスビル、鉄骨の建物の多くがこの作りです。

掲載

目次
  1. ラーメン構造とは:角を固めた四角い枠
  2. ラーメン構造の名前の由来
  3. ラーメン構造と壁式構造の違い
  4. ラーメン構造のデメリットと「うるさい」と言われる理由
  5. ラーメン構造の仲間:ブレースとトラス
  6. 鉄筋コンクリート・鉄骨・木造のラーメン構造

ラーメン構造とは:角を固めた四角い枠

ラーメン構造は、縦の柱と横の梁を組んで四角い枠を作り、その角(接合部)を動かないように固めて建物を支える作りです。

四角い枠は、角がくるくる回るつなぎ方だと、横から押されただけでひし形につぶれてしまいます。角を溶接やコンクリートでがっちり固めると、枠はつぶれずに、柱と梁がしなりながら力を受け止めます。この「角を固めたつなぎ方」を剛接合(ごうせつごう)と呼び、剛接合でできた枠がラーメン構造です。

ラーメン構造(横から見た骨組み)地震の力剛接合(ごうせつごう)柱と梁を一体に固めた接合部梁柱点線=押されてゆがんだ形
図:柱と梁を朱の接合部で固めたラーメン構造。地震で横から押されると、点線のように枠全体がゆがみながら持ちこたえる

壁が無くても枠そのものが立っていられるので、壁の位置を自由に決められます。大きな窓、広い部屋、店舗の大きなガラス面を作りやすいのは、この性質のおかげです。

ラーメン構造の名前の由来

入力候補にも「なぜラーメン」「ラーメンとは」が並ぶとおり、食べ物の拉麺とは関係ありません。ラーメンはドイツ語の Rahmen(枠・額縁)から来た言葉です。日本の構造の分野にはドイツから入った言葉がいくつかあり、ラーメンもその1つで、英語では rigid frame(剛な枠)や moment frame と呼びます。

額縁を思い浮かべると、名前の意味がつかみやすくなります。四角い額縁は、角がしっかり留まっているから形を保てます。ラーメン構造は、この額縁を縦横に積み重ねた骨組みです。

ラーメン構造と壁式構造の違い

ラーメン構造とよく比べられるのが壁式構造です。違いは、建物の重さと地震の力を、何で受けるかにあります。

部屋を上から見くらべるラーメン構造柱型(はしらがた)部屋の隅に出っ張る壁は薄い(間仕切り)壁式構造隅がすっきり。柱が無い厚い壁が骨組み耐力壁(たいりょくへき)
図:部屋を上から見た図。ラーメン構造は四隅に柱が出っ張り、壁式構造は柱が無く、まわりの壁そのものが厚い
くらべる所ラーメン構造壁式構造
力を受けるもの柱と梁の枠厚いコンクリートの壁(耐力壁)と床
部屋の中の見た目隅に柱、天井に梁が出っ張る柱も梁も出ず、隅がすっきり
窓や間取り大きな窓・広い部屋を作りやすい壁の量が決まっていて、大きな開口は作りにくい
建てられる高さ高層まで建てられる地上5階・軒の高さ20mまで(国の告示の決まり)
リフォーム間仕切りの壁は動かしやすい骨組みの壁は抜けない

ラーメン構造の見分け方

住んでいる部屋や、内見した部屋がどちらかは、目で見て見当がつきます。

  1. 部屋の隅に、四角い柱の出っ張り(柱型)があればラーメン構造の見込みが高い
  2. 天井の端に、帯のような出っ張り(梁型)が通っていれば、それも梁の跡
  3. 建物が6階建て以上なら、壁式では建てられないのでラーメン構造などになる

最近のマンションには、柱を部屋の外(バルコニー側)に出したり、梁を天井の中に収めたりして、出っ張りを目立たなくした作りもあります。確実なのは、販売図面や管理会社の資料の「構造」の欄を見ることです。

ラーメン構造のデメリットと「うるさい」と言われる理由

ラーメン構造で気になる点として、よく挙がるのは次の3つです。

  • 柱型・梁型が出っ張る:家具を壁にぴったり付けられない所ができる。カーテンの取り付けで梁型が邪魔になることもある
  • 梁が大きくなりやすい:広い部屋を柱で支える分、梁の高さ(梁せい)が大きくなり、天井の一部が低くなる
  • 住戸の境の壁しだいで音が伝わる:ラーメン構造では、隣の住戸との境の壁を骨組みと別に作るため、その壁の作り方で遮音が変わる

入力候補の「ラーメン構造 うるさい」は、3つ目の話です。音の伝わりやすさを決めるのは、ラーメンか壁式かより、隣との境の壁と床の作りです。境の壁が厚いコンクリートなら音は伝わりにくく、石こうボードを重ねた乾式の壁なら、作りによっては伝わりやすくなります。床の音はスラブの厚さと、床の仕上げの作りが関わります。内見のときは「戸境壁(こざかいへき)は何でできていますか」と聞くと、答えが返ってきます。

ラーメン構造の仲間:ブレースとトラス

骨組みの持ち方には、ラーメンのほかにも型があります。入力候補に「ブレース構造」「トラス構造」が並ぶのはそのためです。

骨組みの持ち方3つラーメン角を固めて持つブレース斜めの材で持つトラス三角形を並べて持つ
図:骨組みの持ち方3つ。ラーメンは角を固め、ブレースは斜めの材を入れ、トラスは三角形を並べて形を保つ
  • ブレース構造:四角い枠の中に、斜めの材(筋かい・ブレース)を入れて、ひし形につぶれるのを防ぐ。鉄骨の倉庫や工場で、壁の中にX字の鉄の棒が見えるのがこれ
  • トラス構造:細い材を三角形に組み合わせて並べる。三角形は角がつながっていれば形が変わらないので、軽い材で長い距離を渡せる。体育館の屋根や鉄橋で見かける

1つの建物で組み合わせることも多く、たとえば鉄骨の建物で、ある方向はラーメン、それと直角の方向はブレースで持たせる作りがあります。

鉄筋コンクリート・鉄骨・木造のラーメン構造

ラーメン構造は、材料を問わない骨組みの型の名前です。

  • 鉄筋コンクリートのラーメン構造:柱と梁をコンクリートで一体に打つ。マンションに多い
  • 鉄骨のラーメン構造:鉄の柱と梁を溶接や高力ボルトで固める。オフィスビル・店舗・倉庫に多い
  • 木造のラーメン構造:ふつうの木造は柱と梁を固めずに筋かいや壁で持たせるが、専用の金物で接合部を固めて、木でラーメンを作る工法もある

土木の世界にもラーメン橋があります。橋脚と桁を一体につないだ橋で、支えの上に桁を載せるだけの橋より、橋脚と桁が一緒に力を受け持ちます。高速道路の高架で、橋脚と桁の境目が見えない作りがこれです。

入力候補の「ラーメン構造 モーメント図」は、構造の勉強で出てくる図の話です。ラーメン構造の柱と梁は、主に曲げる力(曲げモーメント)で力を受けるので、柱や梁のどこがどれだけ曲げられるかを描いた図(モーメント図)で強さを確かめます。地震の力を受けると、柱と梁が交わる接合部の近くで曲げが大きくなる、というのがラーメン構造の特徴です。

ラーメン構造のよくある質問

ラーメン構造の「ラーメン」はどういう意味ですか?
ドイツ語の Rahmen(枠・額縁)から来た言葉で、食べ物の拉麺とは関係ありません。柱と梁で作る四角い枠のことです。
ラーメン構造と壁式構造はどちらがよいですか?
用途で変わります。ラーメン構造は大きな窓や広い部屋、高い建物に向き、壁式構造は柱や梁の出っ張りが無く部屋がすっきりします。壁式構造は地上5階・軒の高さ20mまでという決まりがあります。
自分のマンションがラーメン構造か見分ける方法は?
部屋の隅に柱の出っ張り(柱型)、天井の端に梁の出っ張り(梁型)があればラーメン構造の見込みが高いです。確実なのは販売図面や管理会社の資料の構造の欄です。
ラーメン構造のマンションはうるさいのですか?
構造の型だけでは決まりません。隣の住戸との境の壁(戸境壁)と床の作りで遮音が変わります。境の壁が厚いコンクリートなら音は伝わりにくくなります。

確かめた資料

確認日:2026年11月1日

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